インセイン「暁のサクリファイス」
「インセイン」は冒険企画局/河嶋陶一朗の制作物です。
「暁のサクリファイス」はニムセインの著作物です。
記録にはこれらの内容を含みます。
このシナリオの舞台となるのは、未知と不思議が地図の至る所を覆う幻想の地。いわゆるファンタジー世界を舞台にした、独特の雰囲気のインセインが幕を開けます。
1PLシナリオ「暁のサクリファイス」のPCは、「願いを叶える地」を目指して旅をする旅人。
今回のPCは、「人間」という生き物とその生態に固執し、偏愛する女性、ハツノ。彼女は彼女なりに「人間」というもの全てを知り、解き明かそうとしていて、遍くあらん限りの愛を注いでいるのですが、肝心の人間同士の人間関係には全く無頓着。誰にも理解されず、時としてひどく怒られたり、嫌われたりもしながら、孤独に生きてきました。
彼女が叶えたい願い、それは「理解者を見つける」こと。
その思いの陰にあるのは、「親しい人に自分を理解してほしい」という、とても素朴で、それだけに切なるものでした。かつて自分を理解してほしいと願った人はちょっとした行き違いからハツノのもとを離れていき……突然訪れた彼本人の死によって、二度と理解を求めることすらできなくなってしまったのです。
旅の途中、山道を踏み外して怪我をしたハツノは、近隣の住民の家に保護されました。
その住民は、かつて永遠の別れを告げた、友人……友人であってほしかった彼に、瓜二つだったのです。
「怪我が治るまで自由に過ごしていいが、村には近づくんじゃないぞ」
『ユウ』と名乗るその青年にも、何か事情がありそうで……?
「理解者ってやつにはなれないかもしれないけど、あんたと話してるのは楽しいよ」
「それを私に言ったのは、……あなたで二人目です」
1PLで楽しめるようなギミックがいい感じに施された、遊びやすいシナリオでした。
「人の理解が追い付かない変わり者」であるハツノさんの言動も、このシナリオ・この顔ぶれでなければ出会えなかったもので、とても楽しませていただきました。お話が終わる頃には愛おしさまで芽生えてきて……彼女の行く末が楽しく明るいものであるようにと、祈らずにはいられませんでした。