Her Odyssey クラテールの旅路

 
Her OdysseyはS. Kaiya Jの制作物です。

記録にはその内容を含みます。

 

女性主人公の厳しい旅路を描くソロジャーナルをファシリテーター付きで遊ばせていただきました!

 聞き手がいて口頭で記録を告げていくスタイルだと、進めやすいですね……ソロジャーナルはよく書いては途中で止まってたんですが、今回は旅路を無事完走できました。
本来はジョーカーを引くまで続けるスタイルなんですが、今回は時間を合わせて遊んでいるのもあるので、時間区切りで「かりそめの故郷」「本当の帰郷」が訪れるというルールにしています。

今回の主人公は、辺境の町の衛兵クラテール。赤茶けた髪に明るい瞳の、活力と決断力に満ちた中年の女性です。若いころは魔物退治でならし、剣の腕を鍛えていました。

クラテールの人生最大の過ち、それは魔女の館から「守護の精霊」を盗み出そうとしたことでした。若かった彼女は血気盛んで、魔物との戦いに日々明け暮れていて、より効率的に戦うために「魔女の館には敵から負う手傷を防ぐ精霊がいる」という噂に食いついて魔女の館に忍び込んだのです。
魔女はクラテールを捕らえ、告げました。

「精霊を連れて去るがいい。だが、代償をもらう。お前がいずれ産む娘は、必ず私のものになるよ」

クラテールは、そんなことは大した代償ではないと思いました。自分が夫を得て子供を産むことなどないと思っていたからです。
しかし、その時は来ました。クラテールは男性と結ばれ、娘のアリアを授かりました。
そして、アリアは魔女に連れ去られてしまいます……

「せめて、あの子が魔女のもとでどうしているのかを知ることが、母親としての責務だ」

クラテールは守護精霊との契約を破棄し、夫には何も告げず、最低限の旅支度をして村を出ました。
打ち捨てられた守護精霊は影に染まり、クラテールの旅路にまとわりつく恐ろしい脅威へと変わりました。

クラテールは剣一本を頼みに、厳しい旅路を踏破していきます。

 

異国の敗残兵の集団『遺棄者』との戦闘と、捕虜となった家族の救出。

疫病に沈んだ町の詐欺師、あるいは火山神の狂信者。

気のいい男ばかりのキャラバン。

神秘に取りつかれた変わり者の女魔術師。

都市の記憶を繰り返す『暁の宝玉』。

暁の日差しの中にしか存在しない、記憶の王都。

そして、魔女の強力なる二人の手下――石の悪魔グラルード、そして影の魔物と化した娘アリア。


どんな戦いも、簡単には終わりませんでした。多くのものを失い、置き去りにしながら、クラテールはあまりにも遠い戦場でついには魔女を討ち滅ぼします。

「私は、母親なんだ。娘の行く末を気に掛けない母親なんていない!」

【希望】を込め、血を吐くような心地で叫んだその言葉は、魔女の弄言によって影に染まり狂乱し、魔物と化していたアリアの心へ届きます。
戦いの末に引き寄せた最後の小さな奇跡が、娘の魂と肉体を引き戻し、少しだけ成長したアリアの姿がクラテールの腕の中に倒れ込みました。

長い旅は終わり、本当の帰郷の時が訪れます。
暖かな日差しの射しこむ故郷に辿り着いて、娘は大きく手を振り、父親の名前を呼びました。


このゲームはソロジャーナルなので、一人で遊べるしそれ専用のシステムではあるんですが……
示唆に富んだ内容について、考えを巡らせたり相談したりしながら進めるのはとても楽しかったです。
ゲームそのもののシステムも詩的で物語性に富みつつ意外とスリリングで、ピンチが訪れた時も余裕を持って進められるときもずっとその時その時の楽しみがあって、充実したプレイ時間でした。
ファシリテーターさんがいてこその楽しさだったと思います。ありがとうございました!