Secrets and Scholars: The Disappearance of Hieronymus the Hearty サージェットとノヴァリスのわくわく魔法レポート!

Secrets and Scholars: The Disappearance of Hieronymus the HeartyはCrackerjackalope gamesの制作物です。記録にはこの内容を含みます。


 

歴史学のベアトリクス先生に険しい顔で見られても、二年生の問題児サージェットはどこ吹く風です。

ベアトリクス先生はため息をついて、サージェットに言い渡しました。

「このブラックルート・アカデミーには未だ解き明かされていない多くの史料が眠っています。それをあなたたちの力で読み解き、新たな歴史的事実を探し当て、レポートの形に仕上げてきなさい」

あなたたち?

サージェットは振り向きます。

そこには眉間に深い深いしわを刻み込んで頭を抱えている、真面目で苦労性の先輩・ノヴァリスの姿がありました―—

 

 「Tangled Blessings」の主人公たち二人がまさかの「昔のブラックルートアカデミーにタイムスリップしてしまう」という衝撃の結末を迎えてから、はや一か月くらい。

この「Secrets and Scholars」をプレイすることで、「過去にタイムスリップした二人についてのレポートを仕上げ、その後どうなったかの軌跡をたどる」ことができるのではないか……そんな思い付きから、歴史のレポートの課題を出されたブラックルートアカデミーの生徒が新たに創造されました。

一人は歴史レポートの課題を出された張本人の生徒であるサージェット。スパイア寮の二年生。尖った耳も不思議な色の髪も、全て魔法のいたずらの失敗や成功でこうなったものです。ロクでもない用途の魔法には一日の長がありますが、もちろんロクでもないので成績は低空飛行。歴史の教授ベアトリクス先生を「ばあちゃん」と呼んでは雷を落とされる日々です。

もう一人はサージェットのお目付け役にいつの間にかなっているスパイア寮の三年生、ノヴァリス。長らくサージェットのいたずらのターゲットにされ続けたため過剰防衛気味で、防護の魔法に秀でています。彼の部屋からは謎の物音が絶えず、誰も立ち入れないとか。こうしてみると彼も彼でなかなかの変わり者のようですが、苦労性が勝って周囲の人はちょっと同情的な感じもあります。

二人は楽しくゆるい雰囲気で、「貫くもの」という名で文献に記録が残っているブラックルートアカデミーの大魔法使いについて調べ始めます……


「出現時期は不明、なぜ現れたのかも不明。ぜーんぶ不明」

「当時の出来事を網羅的に記していた"せんさく好きのパリッシュ" の雑記にすら、一行の記述もないだと?」

「何か書かれた本を見つけたと思ったけど魔法の罠が!」

 

調べ物は全く惨憺たる有様です。

何を調べても何も出てこない。曖昧模糊とした記述があるだけ。 しまいには魔法の罠に触れてしまい、二人の肉体が入れ替わる大惨事を引き起こしたりも……

そんな中、ノヴァリスは当時の大量の魔法界の記録から一つの事実に辿り着きます。


「『貫くもの』は、誘惑した人物を殺害して"クロノマンシー(時間魔法)"の儀式に用いていた。

 不老の魔術を用いるために、大勢の人間の命を犠牲にしていたんだ!」

 

それは血の気が引くような事実でした。なにせ、そこまでして不老を手に入れている「貫くもの」であれば、現在も生きている可能性は十分にあるのです……

 それはすでに、「貫くもの」について調べている二人の生徒について勘づいているでしょう。もし「貫くもの」にとって不都合な行動をしたと判断されたら……?

迫る恐怖に怯えつつ、レポートを進める二人。出てくる情報はやはり恐ろしさを補強するもの、そして完全に改変され削除された記述ばかり。

そして、提出の日がやってきました……

 

「目の付け所は悪くありませんが、考察の深みが足りません」

ベアトリクス先生は無常に言い放ち、「不可」のスタンプをポンと押したのでした。

 

「だって掘り下げたら命の危険がぁ~……」

「年に一度は聞く言い訳ですね」 


がっくりとぼとぼと寮に戻っていくサージェット。

 

「消されるよりは、良かったのかもしれないが」 


いつも通りのしかめっ面で、ノヴァリスはぼそりと言い放ったのでした。

 



このゲームは「Hints & Hijinx」という、推理や考察を楽しむソロ用TRPGのシステムを基に作られています。この手のゲームは結構遊んでいるんですが、今回みたいに出目が偏るのはなかなか起きませんでしたね……大失敗か大成功か、という感じで進行していて妙にスリリングでした。

 過去に行ってしまったPCたちの足跡をたどりたかったのに、結果的には彼らの隠蔽が高レベル過ぎてほとんど何もわからないまま終わってしまったというなかなか面白い顛末でした。

ひたすらレポートを書くだけのセッションなんかなかなかないので、そういう意味でも新鮮だし、ゲーム的にもすごく楽しかった!