The Unseen World Taka442の超常記録

 「The Unseen World」はThomas P.Kingの制作物です。
記録にはその内容を含みます。

 

日本。
それは科学の介入すら拒む神秘のフロンティア。
あらゆる超常現象が潜む異界を抱えた地。
人はそれを、The Unseen World……幽世(かくりよ)と呼びます。

現代日本の地方都市を旅行して超常現象を調査し、それが存在するという『証拠』を集めるソロ用ゲーム、「The Unseen World」を遊んできました!
トランプとサイコロを使うゲームで、DriveThruRPGの販売ページを見たら伝わるかもしれませんが、実はかなりシビアで過酷なバランスで……「ホラーというより経済シミュ」と言われるくらい、所持金のやりくりが大変なゲームだったりします。
なんせ最初の所持金が1万円。ホテル代は一律5000円。そして、霊に出会うために必要な「召喚アイテム」は実費で購入しなければなりません。つまり、2日の間にお金を稼いでなければ2日めの夜は野宿ということになります。
ゲームに慣れてきたら色々とやりようはあるんですが……その辺りについてはまた今度。

今回の主人公は実況者Taka442、本名釣卓士(つり たかし)。「孤独を好む」性分のおかげで独りでコツコツ調査しているときの恐怖判定にはプラス修正、更に一部の内気な人や照れ屋な人への聞き込みも得意。更に「配信者」という特徴もあるため、動画配信での収益を多く得られて、若者全般に反応が良い……と、なかなか手堅くそろえているように見えて、なかなかうまくいかないのがこのゲームです。
そう、舞台は日本の地方都市。
当然、各ロケーションは高齢者で溢れかえることに……

今回の調査対象となったのは、廃工場の煙突がそびえる町、運泉市。
死者を迎えに来て熾烈な火事を引き起こす"火車"の伝説と、計測されていない大地震による被害者の噂が引き起こす陰鬱な気配が、暗い街へ靄のように立ち込めています。

町に訪れたら、まずはロケーションと心霊スポットを作成。
基本的にこういったランダム表は6面ダイスで決めることになっています。
ロケーションは学校・レストラン・寺院。ここに行けば調査や買い物ができるということです。
心霊スポットは廃屋と廃倉庫。ここで調査をすることもできるし、情報が揃っていれば心霊現象を記録して『証拠』にすることができます。『証拠』をある程度集めると、心霊現象は沈静化してしまいます。

釣は最初にレストランを訪問。なぜか好奇心旺盛な人ばかりが集まるこの街の気風に手を焼きつつ、内気そうな老人を見つけ出して話を聞きます。
話をしながらレストランで購入できるアイテムを確定していた釣は、ぽつりとつぶやきました。

「ケーキ買いたいな…」

そう、このゲームの攻略法の一つ。それは「食品アイテム」をうまく活用すること。
このゲームでは、全12枚の手札を用いて判定を行います。手札が尽きると1日が終わってしまうのですが……手札を使い切る前に「意志力」が尽きて倒れてしまい、取れる行動が減ることだけは避けなければなりません。
「食品アイテム」は比較的安価で、「意志力」を回復できます。また、使用するとなくなるので8つしかないインベントリをすぐに空けることができます。
更に「ケーキ」のような一部の食品アイテムは、直後の恐怖判定に+修正がつきます。恐怖判定に失敗すると意志力が大きく減少し、更に手に入る証拠も減ってしまうので、手堅く成功していきたいところです。
しかし、ケーキの定価は1000円。現在の手持ちでは心元ないとして見送り、まずは情報収集に傾注します。

さらに学校で心霊スポットについての調べ物に乗り出した釣は、学校で購入できるアイテムを振ってぽつりと呟きました。

「おにぎり買いたいな…」

「おにぎり」は500円で意志力2点回復というなかなかのコスパを誇る商品です。どこでも買える「ファーストフード」は500円で意志力1点回復。 特定の場所でしか買えない食品アイテムは全体的に高性能なのです。
荷物のインベントリを「おにぎり」で埋める手もあるのではないかと思案するPLに、GMとしては「霊に出会うために必要な『召喚アイテム』を購入するお金がないとゲームオーバーですよ」と慌てて伝えるしかありませんでした。
とはいえ、逆に言えば「召喚アイテム」の余地さえ確保していればかなり有効な戦術です。PLはこのことにほどなく気づくこととなり、ゲーム終盤ではリュックサックがおにぎりとケーキで埋め尽くされることになりました。

ほどなく釣は心霊スポットに関する3つの情報を確保して「廃屋」へ調査へ乗り出します。
そこは葬儀の夜に激しい火事が起き、それ以降は「ろうそく」を持って近づくことが固く禁じられているという曰く付きの場所。この町で昔から信じられている"火車伝説"と何か因縁があるのでしょうか……
釣は中古のハンディビデオカメラを回し、異常な音声をボイスレコーダーで録音しながら、心霊スポットで起きる出来事を記録していきます。炎に巻かれるおぞましい幻影、溢れる濁った水、奇妙な呼び声、一つ一つが心を削りそうになるのを「おにぎり」を詰め込んで抗う釣。ついにはあらん限りの心霊現象を記録し、沈静化した現場を後にします。

「次は廃倉庫だ」

工場地区にある廃棄された倉庫という、この工業街ならではの心霊スポット。観測されていない地震の被害者を収容したというその曰くは、どのような心霊現象に繋がっているのでしょうか——

そんな感じで、調査・恐怖・食い倒れをとことん楽しめるソロRPGでした!
一番怖いのは所持金のヤバさという説もありますが、ホラー要素もとても丁寧で雰囲気たっぷりで、まさにジャパニーズホラーへのラブレターともいえる本作。
「怪異現象を世界に向けて明らかにしていく」のが目標というのもちょっと変わったポイントですが……心霊Youtuberやオカルトライターをやると考えたら、確かにそっちの方が自然なんですよね。